ある意味大人の絵本でもある、伝説的15分間 - 人生を決めた15分 創造の1/10000を読んだ
先日のレポート「世界的な工業デザイナー奥山清行氏とブロガーが出会ってしまった。 - くるえるはてなくしょん」の続き..といえば、続きですが、いただいた本をかなり楽しく拝見しました。
- 作者: 奥山清行
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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イラストやデザインの本としても、コラム集としても、望むなら自己啓発本としても、いろいろな読み方ができるという、不思議な本です。文章は淡々としてちょっと熱がこもった「だ・である調」で、少しつきはなしたところや積極臭さを人によっては感じるかもですが、ご本人がお話ししている口調を知っていれば、すっと入ってくる文体です。
文章だけしか知らないとご本人のお話ぶりには少しギャップがあるかもしれません。それから全体的に読む人によって、印象が変わる本だと思います。
目次だけ転載します。
第1章 迷ったら、やれ
第2章 やらないよりは失敗しろ
第3章 好きなら、極めろ
第4章 創造力を見方につけろ
第5章 メッセージを伝えろ
第6章 “闘議”から始めろ
第7章 信じればこそ
第8章 未来の顧客のために創造する
第9章 日本人の感性を知りつくせ
第10章 自分の心に聞け
- 人生を決めた15分 創造の1/10000
目次だけみると、上から目線なビジネス本スパマーな著者が書いた、割とありがちな謎の自己啓発本みたいですが、内容は目次から妄想される内容よりも面白いです。
目次だけだと、ちょっと説教臭く見えるかもしれませんが、内容はそれの遥か斜め上を飛んで行きます。
この本には素敵な3つの特長があります
1.惜しみなく語られる実体験
成功はもちろん、失敗談や恥であることまで、実体験として語られていること。けど、あくまで実体験をさらっと書いていて、必ずしも武勇伝のみで書かれていないのが素敵で、いやでも好感度があがります。
2.惜しむこと無く公開された仕事やスケッチの数々
さらに、この各コラムが見開き2ページで完結で、しかも関連するアイデアやスケッチ、完成品の商品画像がふんだんでしかもハイクオリティ。思考の過程も試行の結果も同時に見ることができる
3.惜しげも無く語られる問題指摘や提言
そのうえで、かなり、はっきり、日本と海外を体験した上でよいものはよいと、そして、ダメなものやダメなところを本書中できっぱりと言い切っています。もう少し具体的には是非、本書を手に取ってご覧下さい。
人生を決めた15分は15分に至る、全ての集大成
奥山さんと言えば、少し調べると確認出来るのですが、フェラーリのスーパーカープロジェクトのデザインをまかされたけど、なかなかokが出なくて、没になりかけた直前の、15分間で書いたスケッチが採用された逸話があります。
もちろん、冒頭にそのエピソードと当時のスケッチが載っています。
Google 先生経由で、画像も見られます。エンツォ フェラーリ - Google 検索
車好きな、かつての少年なら、もちろん面白く読める1冊です。それから、車以外の椅子やそれ意外の習作が、また楽しいんですよね。
絵が描けたり、プログラムが作れるのはやっぱり素晴らしいことですよね。