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1Q84 をぜんぶよんだ

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 2

1Q84 BOOK 3

1Q84 BOOK 3

17歳のくるはて...みたいな、件名ですいません。あと、楽しみをとっておきたい方は、このエントリは読まないことをおすすめ、それから、書評を読むなら、
[書評]1Q84 book1, book2 (村上春樹): 極東ブログ
http://d.hatena.ne.jp/hrkt0115311/20090630/1246311570
終風先生や、ノエルさんの住んでいるフルクト村に行く方がよいと思います。

Book3 が出てから、まとめて読んだ私はある意味ラッキーだった。2のところで止まってる状態で1年待たされたらそうとう、もやもやしただろうな...と。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ (下) (新潮文庫) を、なんか読んでもよくわからんしもやもやしたと言っていた妻が、これは読みやすくて面白いと話しておりまして、私もそう思います。私にとっては、アンダーグラウンドシドニーとかはちょっと系統がちがうので、海辺のカフカにつづく彼らしい長編となりました。海辺の...は、星野ちゃんとナカタさんの珍道中みたいな方が面白いけど、わけわからないほうの話がわけわからないままの感じが強いのですよね...、正直。

けれども、1Q84は、わりと単純に楽しいですよね。

普通に、罪と罰のようなサスペンスがあったり、あるいは、相変わらずのおセックス村上ワールドがあったりしつつ、いつもの村上春樹の文章があって、やれやれ素敵だと思いました。
いつものパラレルワールド的なファンタジーが、それから、天吾は逃げながらなにかと戦い、青豆は追いながらなにかと闘うので、挟み撃ちの形になるサスペンスもあるのですが、舞台そのものが東京なので、高円寺には行った事がないけれども、六本木とか麻布とかのイメージがしやすくなってしまっているので、そのあたりも臨場感があるかなと、ほんとは道民のくせに。思います。まったく国語の時間の読書感想文とか苦行だったのに、好き好んでブログに感想書いたりしてて、自分はバカなんじゃないかと思います。

1984年はそんな国語の時間があるかないかの境目で、私はリアルタイムの記憶などはあまり無くて、幼稚園の園長先生にそぼろご飯をこぼして叱られたとか、小学校の担任の紹介にいたずら書きをしたクラスメイトがぼろっかすに怒られたとか、鉄棒から落ちたとかブランコから落ちたとか、たぶんそれくらいの年です。
なので、「民自党」とかのようによくフィクションで出てくる名前に違和感があったりしますが、「証人会」とかの違和感は、百戦錬磨のみなさまに比べると少なかったとおもいます。それから、これは1984年の出来事...というよりは、ごく最近のことのようにも思われます。もっとも、ケータイやネットが出てこないけれども、私たちの根本は25年前からあまり変わっていないのかも知れませんね。なんでしょうね、村上春樹の文章はさっぱりフレッシュというか古くない感じがしますね。

些細なきっかけで世界が変わってしまう事と、大事なものの物語

私は、村上春樹のテーマは「些細なきっかけで世界が変わってしまう事と、大事なものの物語」だと感じています。
私の大好きなパン屋再襲撃パン屋襲撃でもそうですけど、なにかの些細な事件をきっかけに、世界の方が変わってしまったのか、自分の方が変わってしまったのかはわからないけれど、とにかく、その当事者にとっては、世界ががちゃっと豪快に変わってしまう出来事に対して、どう身を処するか。そして、そこで大事なものは何か、その大事なものが損なわれないようにするための人物達の物語は何か、そういうことを楽しもうと思って読みます。

と、読むときにはそんな大袈裟なことを、そこまで考えてはいないのだけれど、今整理したら、そうなりました。あるいは、村上春樹のような文章を書く人が、村上春樹しかいないのかもしれないので、読みます。単純に文章がすごいと思います。生まれた時から100m 10秒台だったではなくて、毎日走ってたら、フルマラソン 2時間10分切ってた!! みたいな文章だと思います。まあ、どうでもいいですねw。

1Q84は...

冒頭のタクシー運転手の趣向が、おそらく本人ですよね。きっと。あとは、「母は強し、そして、大事!!」みたいなことが、ずーっと、底に流れていると思います。このお話では天吾くんがちょっともやっとした天吾「くん」って感じがあるのも。そして、その大事なものを損なうものには、何をしてもいい!! みたいなものも同時にありますね。予防の方がいいのに、事後処理が... みたいなことへの皮肉を交えつつ。結局、理不尽な暴力の解決が、理不尽な暴力でいいのか、とありながらも、その世界から離脱しちゃうあたりね。

なにはともあれ、やっぱりすごい物語だと思って読みました。

むりやり要約すると。

今まで、柄にも無く真面目に書いてしまったので、ここから普通に書くのですが、

  • book1: スポーツインストラクターのおねーさんが、はげたおじさんとえっちする物語
  • book2: 予備校講師が女子高生くらいの美乳の美少女とえっちみたいことする物語
  • book3: なんかできちゃったみたいだから、不細工野郎をぶっ殺してくる物語

みたいな感じです。なにこれみたいですが、これは面白いですね。文学的です!!

他に私が読んだ作品も超要約すると、

と、これまで何冊か村上春樹作品を読んだわけですが、やっぱり最高傑作は、「象の消滅」 短篇選集 1980-1991に収録のパン屋再襲撃だと思います。