象の消滅を読んだよ
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/03/31
- メディア: 単行本
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名前をちゃんと覚えてなくて、図書館の受付で、
「すいません、村上春樹のゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)みたいなタイトルの短編集を借りたいんですけど。」
と、図書館の受付のひとを、やれやれ、とさせたことが現実だったかも定かではないのですが、全部読みました。総じて面白かったです。関係各位ありがとうございました。
やっぱりすごい作家の短編集は面白い!!
うちに、宮部みゆきの地下街の雨 (集英社文庫)があって読んだり、カフカの短編集なんかを読んだ過去なども思い出しましたが、本当に総じて面白かったです。
とくに、パン屋再襲撃と、芝刈りとボクシングと象の話が面白かったです。とりあえずこの本は渡辺昇以外にはおすすめです。
いずれも、ちょっと不思議な雰囲気や読後感なものが多くて、ぴんとくるぴんとこないとかはあるとはおもわれました。特に半ズボンの話とか。ただ、このひとがすごい作家だというのはよくわかりました。そういえば去年、移動中に村上春樹か江國香織*1を読んでみようとしていて、やっぱり村上春樹よんどいたほうがよかったじゃん!! ってw
文章と小道具のセレクションがいちいちすごい。
私はそこまで読書家でもないのでアレなのですが、宮部みゆきとかは、すごい文章だとおもうんです。けど、村上春樹ってちょっとそのすごさとは違って、動作とか、飲み物や聴くもの、特に音楽の話題がよく出てきますが、それらの選択がいちいち気が利いてるのと、普通に普通じゃないことを対偶から説明したりするような面白さとかが楽しかったです。難しい読み方や解釈とかあるのでしょうけど、私は難しい映画を難しく見るよりも、映画でも本でもなんでも、楽しみ、そして、たのしませてもらうほうが好きなのです。
あと、油断してると、ときどき気が狂ってるような短編がちらほらまざってて、そのバランスがこれまた素晴らしかったです
ゴールデンウィークとか本を読むのにいいですね。