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ベトナム戦記と輝ける闇の関係のような、百姓貴族と銀の匙

ベトナム戦記 (朝日文庫)

ベトナム戦記 (朝日文庫)

輝ける闇 (新潮文庫)

輝ける闇 (新潮文庫)

かたやエッセイ、かたやエッセイから飛び出した物語という関係で、そんな物語はやはり作者の原体験からわき出したもので、リアリティ満載だったり、血肉からわき出す勢いだったり、とにかく良いものが多いですよね。他にもこういうのありそうに思います。少し話がずれますが、ショートショート星新一のエッセイとか逆にSFが進出してくるところがあって、面白かったりしますね。

さて、

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

ウンポコ 13 (ディアプラスコミックス) という雑誌に連載されてたりして、どういう名前だ! というか、まあ主に、農業なので、ウンコとかと縁が深かったりするのですが、元々特別なオンリーワンな農業エッセイマンガですごいです。史上屈指の名作少年漫画のハガレンも決着がつき、サンデーも週の真ん中水曜日な週刊連載の銀の匙があります。
銀の匙のほうが、やっぱり命と食にまつわる本人の体験が多めに影響を及ぼす物語だとすると、百姓貴族の方は、もっとカジュアルにしれっと農家の常識について書かれたエッセイ漫画です。この関係が、冒頭の二作品との関係に似ていますね。
もしくは大島弓子様のにゃんこエッセイと物語が交互にやってくる感じとも少し似ているかもしれません。

なんで、百姓貴族かと言うと、エッセイの形をとりつつ、北海道を独立させて、食をもって世界を征服して貴族になりあがることを夢見て、あいもかわらず畑耕すような内容になっているからです。というのは、嘘ですが、あれ、まんざら嘘でもないかもしれませんね。

すでに、2巻まででていますが、たとえば、IT関係従事者で、Webに縁がある方だったりすると、わりと IE6死ねとか、IE6爆発しろとか、IE6最高に愛してるとか、ありがちだとおもいますが、それが食の従事者だったりとか、農業に従事するひとだったりすると、その発言がとてもハードコアになるのですが、それを隠さず作中で表現する荒川先生とか、同じく、作中で TOTAL な感情や思いのありったけを発露する THA BLUE HERB のようですね。

TOTAL

TOTAL

奇しくも新譜が明日発売の THA BLUE HERB ですね。2012 年はなかなか良い月で、スーパームーンもありましたが、THA BLUE HERB や Sigur Rós の新譜が出る月でなかなかにすごいです。

少し、脱線しましたが、どうも、基本的に他力本願というか、抗えない自然こわいみたいなところがあったりで、「押ささる」とか言う程度に受動的ではあるのです。
ですが、エンジンがかかると、 清濁併せ呑む勢いで、本編と傍流を入り交じらせて、無駄に何かを表現する力が、どうしようもないことを知っているだけに、どうにかしようとするときにすごい力を発揮する人が居たりするみたいですね。ときどき。

では、良いスプーンで、良い人生を

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

銀の匙 Silver Spoon 3 (少年サンデーコミックス)

小さなスプーンおばさん (新しい世界の童話シリーズ)

小さなスプーンおばさん (新しい世界の童話シリーズ)