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今更インセプションを見たら、相変わらずのノーラン節

インセプション Blu-ray & DVDセット プレミアムBOX (初回限定生産)

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まあ、勇気があるなら、Inception happ.me - ¥£$, Happy Amazon Price Please Me, 世界のAmazonをまとめて検索 をご覧の通りで、英国から買うと安いです。

相変わらずのノーラン節*1で、安心のクオリティですね。英国でいい仕事してハリウッドのほういっちゃう監督って…、こうダニー・ボイルの二の舞になって、誰も幸せにならないと思ってて、ごめんなさい。あと、ダニーさんも終わったとかいってごめんなさい。スラムドッグ$ミリオネア[Blu-ray] とか、ひさしぶりにざわっとしました。

脱線した。ノーランさんですね、ダークナイトくらいがある意味で丁度いいのも事実だけど、英国の仕事のメメントなんかを考えると、やっぱり、これくらいの内容の映画を作りたい監督さんなんだろうね。で、わりと、映画ならではの表現と構成をもちいて、感心する映画つくるんだけど、構成がこりすぎてると実は物語の内容そのものはちょっと… だったりするんですよね。構成と演出で引っ張るんだけど最後がなんかもやっと… ってメメントとか特にそうだったのだけど。

あと、

フォロウィング [DVD]

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これ、地味におもしろいんだよね。

で、まあ、その最後にもやっとする感じも今回はあんまりないし、なによりあの映像感覚っぷりは、まあ良くできてると思いましたし、いつもの雰囲気の顔ぶれも揃ってるし、見て良かったと思います。久しぶりに映画みたな...。

*1: この人の映画って、いかにもこの人らしさが隠そうとしててもでてて、ほんとうにノーラン節だなとか思うんですけど、同時に、どうして来訪者の方々とかケータイ会議つながりのかたとかが、相変わらずのケースケさん節炸裂とか言ってくれるのか、なんかよくわかった。不思議なマイペースで独特なへんなひとっているよね...

愉快な数学的読み物 数学的思考の技術 を読んだよ

数学的思考の技術 (ベスト新書)

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404 Blog Not Found:数学的=普通 - 書評 - 数学的思考の技術
弾さんの書評を読んで、図書館で借りて来てくれたのを読んでました。目次も上記にあるので、是非見て頂ければ。

それから、ご本人のエントリもありました。
数学的思考の技術 - hiroyukikojimaの日記

今回の本で、ぼくがチャレンジしたのは、「数式を出さずに、どこまで数理的な内容を正確に伝えることができるか」、そういうことだ。
-- 数学的思考の技術 - hiroyukikojimaの日記

ご本人が書かれている通りで、「数学的思考」ってところが、何よりこの本の肝要なところで、ある意味で本当に「急がば回れ」してる書き方でもあるんですよね。数学ガールも「急がば回れ」な本だけど、これも逆向きに回って急いでるような、そういう不思議な読後感。

学生時代にすごい出来る先輩が居て、ゲーム理論みたいな考え方ってべつにパレート最適とかを探すのだけが目的じゃなくて、ある現象のモデル化と、その説明をうまく取り扱ったり出来ることにあるんだよって、教えてもらったんだけど、そういう考え方に近いんですよね。この本の説明。
そいで、ゲーム理論とかだと、それなりに数値や数式を使った方がわかりやすいんだけど、あえてそれも避けて数式とかが出るだけで「うっ…」となってしまう人のために書かれた本で、丁寧な本だなと思いました。数学ガールもある意味で、数式とかが出るだけで「うっ…」となってしまう人のために書かれた本ではあるんだけど、取り扱うドメインと方法が真逆でそういう意味では面白かったです。

こう、説明するための努力や方法として、こういうアイデアを使うのって本当に素晴らしいし、難しいことを面白くわかりやすく伝える技術をこそ評価すべきで、わかりにくい説明をした方がエラいような風潮って、日本の有数なだめなところのひとつだよね。

そんなことより、第3部の第2章をいちばん書きたかったんじゃないかという…w

それで、第1部とか第2部とか、いろんな現象をわかりやすく数学的に切ってみようって感じなんですけど、

第3部 「物語」について、数学的思考をしよう
(…中略...)
第2章 村上春樹トポロジー--「あちら」と「こちら」のつなぎ方

とかあるんですよ。

それで、1部2部とはちがう感じで第3部がノリノリでw、その事実自体がちょっと面白いという点で、この本まで物語の世界につっこんでしまったとかが少し愉快です。
この異彩の第3部が、一部の方にはそれなりにおもしろいし、村上春樹の文章がどうして独特なのかを「数学的思考」で解説してて、それがまた楽しいです。
個人的には、ウィトゲンシュタイン論理哲学論考にでてくる 「P かつ Not P」 とか、 「 P または Not P」 についての印象と同様のイメージを扱うのが、この方々の巧みなところなのかなとかは思ったりしています。

何事もあきらめたらそこで試合終了ですよってための、考え方のための一冊です。そういえば、安西先生もリバウンドの効果について、「数学的」に花道に説明してたね。

プログラマとソフトウェアアーキテクトのそれぞれの97

プログラマが知るべき97のこと

プログラマが知るべき97のこと

ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと

ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと

いずれも、オライリーのオラの村のebook キャンペーンにて入手したもので、割とさくさく読めました。かなり良い読み物です。
こう、97のこと… と言われると、果てしないような数のコラムが掲載されている気もしますが、どちらも見開きベースで、1コラム終わるので、かなりさくさく読めます。あと、日本版の追記のコラムのクオリティがとても高くて、アーキテクチャの方は江島さん、プログラマの方は宮川さんのコラムとかがやっぱりかっこよかったです。

どちらもオライリープレゼンツな最新流行の思想についてなので、まあ安心して読めるとともに、ひとによっては、ひとによってはですよ、耳が痛かったり、顔が赤くなったり、胸が苦しくなったり、胃が痛くなったりすると思われる内容のものです。

アーキテクト編の方が先に出版されていて、こちらの方が読みやすかったです。こちらは、実際になにかするまえに、問題自体を良く考えたら、そもそも全く違う問題の方が重要なんじゃないのかとか、かなり、「そもそも」についていろんな人のよい視点を凝縮したところがある1冊です。あと、アーキテクト編の方は、アンチパターンについての記述が出るたびに、辛い気分になること受け合い。この国の人ならなおさら…orz

それから、プログラマ編の方は、もう少し具体的に、テストとか、開発の実際にコードして作るところのプロセスとか、名前とか、構成とかそういうのには十分に十分に十分に十分に十分に十分に注意しようねっていう考え方が目立ってるように思われました。あとは、いかにして、すっと思考を切り替えて入っていくか、みたいな観点についても面白いですね。


まあ、この本を読んで反省があれば次に活かせばよいと思うのです…。ウボァー して、FF3があるわけですから。

そして、オライリー本に登場する数々の勇者ですら、苦難と苦闘の道なんだなと思うと、目の前が暗くなると同時に、明るくもなるわけで、せっかく暗闇と照らし方について教えてくれてるんだから、読んどいて悪く無いし、どのみち暗いなら明るくする方に加担するしかないよね。

良い思考パターンで、良い人生を!! って、感じです。