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ジム・ジャームッシュのコーヒー&シガレッツ が、万人にはおすすめ出来ないんだけど、すごく面白い

ツタヤでレンタルしてあったのを昨夜、どうにも体調がさえなかったので、寝る前に見てました。

コーヒー&シガレッツ [DVD]

コーヒー&シガレッツ [DVD]

珈琲と煙草にまつわる、短編ショートショートのゆるやかな連作です。
ホワイトストライプスからケイト・ブランシェット、はたまたイギー・ポップまで、ことごとく豪華な登場人物が、だいたいそのままの役名で出ていて、ないわーw とリアルの中間で、しかも日常の風景としてはなさそうでありそうでなさそうでありそうなそんな連作です。
創作なんだけど創作にしては、生活のあるリアルな側面の、厳しい現実が鋭く切り出されるし、そうかと思って油断するとビル・マーレイ登場のところみたいな「ええっ!?www」みたいなところもあったりで、震えます。

全編モノクロ映画なのですが、撮影とか構図とか演出とかがさすがで、全然退屈しませんし、むしろドラマのためには、余計なものなど不要なのとかを思い知らされます。全編の構成からもF1みたいな映画だなと思わせるところもありますね。別に、テーブルと人が2-3人と、珈琲と煙草と、出会いや別れが会話があれば、ドラマにするのに十分だよねみたいな恐ろしさです。

印象に残っているのは、この映画の登場キャラクターの対比と、それから、映画においての演出としての間の良さが、そのまま、登場人物達の間の悪さや気まずさにつながっていて、さらに見てる私たちとしては映画の演出としては間が良い最中の登場人物の気まずさが、そのまま端で見てるとジワジワくるw感じ、感情移入してると見事に見てる方まで痛い感じになっていて、そのうえで映像も演出もお洒落...とかで、まったく恐ろしい作品でした、しかも狙っておとしてる作品はきれいにオチまでついてるとかなんですよね…。
こうどこか、談志師匠とか小三治師匠の小ばなし見てる感じにある意味でちょっと似ているかも、ちょっと落語的というか、人間の業みたいなものを、うまく見せてるところもあります。

中でも私が好きなのが、「COUSINS」の ケイト・ブランシェットの短編がいちばんスゴいかなとおもいました。あとは「COUSINS?」の短編、あと最後のおじいさんふたりの「CHAMPAGNE」が、こう何とも言えない心象を残して行く作品だったかな...。
あと割と単純に面白かったのは、冒頭のロベルト・ベニーニの「Strange to Meet You」と、ビル・マーレイが登場する「Delirium」が、ちょっと反則w

こう、大事件や陰謀がなくても、ただそれだけでドラマチックっていうのをこうも形にするのはそれだけですごいなと、本当に思い知らされます。この映画の気まずさの演出はただ事ではないです。

煙草は苦手ですが、映画の中ですっててもらう分には一向に構わないですよね。