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父の日に見るのにぴったり…? ミッキーロークのレスラーを見たよ。

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

レスラー スペシャル・エディション [DVD]

ミッキー・ロークといえば、猫パンチが思い出される方がいるかもしれないし、実際私もある程度そうなのですが、なんかそのあたりも踏まえて、ひっくるめて、これはいろんな意味で妥協がなくて良い映画でしたし、ドラマであると同時に、かつエンターテイメントで、誰にでもはおすすめできないけれど、映画好きな人にはおすすめ出来ます。
プロレスについてはプロレスのイメージだけあればそれで十分だし、全体的には悲哀と悲壮が多めな話ではあるけど、それを感じさせまいとするせいでめちゃくちゃ感じさせるところ。
あと、こう気は優しく無い時もあるけど基本的には優しくて力持ちみたいな男くさい感じが多めなところ、だけどまあ根本的にはボロボロのクズなところなどなど、本当にいろいろひっくるめて、ごてごてとしてると見せかけて逆に実に淡々と良い作品でした。

低予算と言えば低予算なのだろうけど、それでもやっぱり撮影の仕方や、見せ方や、演出の仕方が巧みで、今回は登場人物の表情にクローズアップしたところが、いつも素敵な画面になっていて、それが素晴らしかったです。余計なことしないっていう感じ。

それから、流れてしまった時間の見せ方と小道具の使い方、あと、プレゼントのところと*1か、80年代と90年代とその音楽にまつわる小さなエピソードが、お話の中で全体をぴりっとさせてとてもよかったです。日常的な風景のある映画の中で、音楽を流す効能以外にも、音楽の話題を出す効能って結構大きいよね。リアリティーやシンパシーの上でそれ以上いい方法はないかもしれない。ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]でもレコードが出てくるところがあってそこすごいシーンなんだけど*2、そういう風に使うのって、いい作戦だよね。

で、とにかくいろいろ見て良かったです。

あとは、ダーレン・アロノフスキー すごい監督ですよね。

アロノフスキーは、『レスラー』と『ブラック・スワン』は元々ひとつの企画であったことから、これらを姉妹編と呼んでいる。彼は結局、「1つの映画にするにはあまりに多い」ため、レスリングとバレエの世界を切り離した。彼は2本の映画を比較し、「ある者はレスリングは最低の芸術と言い、またある者はバレエを最高の芸術呼ぶ。しかし、私にとって驚くべきことは、これらの世界両方のパフォーマーがいかに似通っているかである。どちらでも、パフォーマー自身の身体を信じられないほど使って何かを表現している」と語った
- http://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック・スワン

というわけで、ブラック・スワンでナタリーを堪能したあとで、レスラーでおっさんのミッキー・ロークを堪能するというのもよいかと思いますよ。

あと、

π(パイ) [DVD]

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これも、ダーレン・アロノフスキーの仕事なんだよね。ちょっと古い話題になるけど、札幌で見たような…

*1:その後の試合コスチュームとの兼ね合いとかさすが過ぎる

*2: Second Coming ねwww