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マイ・フーリッシュ・ハート / 南博

マイ・フーリッシュ・ハート

マイ・フーリッシュ・ハート

南さんの三冊目をようやく読みました。相変わらずタフで直球勝負で、小気味よく、音楽に関してはとても真面目に、そして、あけっぴろげで気風の良い本でした。

思えば、震災のすぐあとで、Jazz Spot DOLPHY にて、ちょうどライブもみたのでとてもタイムリーな話題が多めでした。あのライブは楽しかった。

南さんの著書は以前の2冊、

白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編- (小学館文庫)

白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編- (小学館文庫)

鍵盤上のU.S.A.

鍵盤上のU.S.A.

これらに続く3冊目が本作ですが、3冊目の本作が一番好きです。

たぶん、バブルを知っている世代とか昭和の実感がある方だと普通に銀座編がおもしろいと思うし、普通の音楽好きにはおそらくUSA編がおすすめという感じでしたが、菊地成孔さんが好きでとか、その他もろもろの理由でとか、わりと最近の日本事情に詳しければ、本作から読むのも楽しいかなと思います。日本のいろんな話題が今回は多くて、綾戸智絵さんの話とか、菊地成孔さんの話も出てくるし、GO!THERE! や、南博トリオの話題も出てくるので。

重ねて、アイスランドのエピソード、デンマークのエピソード、中国のエピソードはなんというか、それぞれがそれぞれにすごいです。アイスランドとか音楽的にはなんか異常にすごい国なんですけど、その一端を垣間見せてくれる描写もあります。

読んでから聴くか、聴いてから読むかは難しいところかもですが、読む前に、

Like Someone In Love

Like Someone In Love

花と水

花と水

この2作は聴いておくと良いかもと思います。この2作は私も大好きだし、本当におすすめ。
ごくごく個人的な印象ですが、録音は洗練、本は率直、ライブは野生、みたいなところが南さんの仕事ぶりにはあるのですが、その洗練された感触が楽しめるのが上記2枚かなと…。その他の仕事も、もちろんそれぞれに素晴らしいですが。

あとは、

Waltz for Debby

Waltz for Debby

This is History !! みたいな感じですけど、これは本当に歴史的名盤というか、世界に残る最高傑作のうちのひとつというか、強烈な名盤だし、本書のタイトルもこちらにちなむところがあるので、これは是非。本書のなかで、ビルエヴァンストリオへの言及があるのですが、それについては、ああなるほど… と思わされる内容ですが、そちらは是非、本書を手に取ってご覧下さい。

それから、

大停電の夜に オリジナル・サウンドトラック

大停電の夜に オリジナル・サウンドトラック

こちらは私はいずれも未体験で、この東京タワーだけはちょいと恋しいですが、ちょっと借りてこようかなと思ってます。

握手券つきじゃないCDでも買ったり借りたりして、その後、ジャズバーとかライブにいって、握手してもらったりするのがオトナだと思います。