出たとこ勝負と直販と産直とバッファとプロキシ
- 作者: 生田與克
- 出版社/メーカー: 学研教育出版
- 発売日: 2010/01
- メディア: 新書
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中抜きとか直販みたいなケースって、なんだかとても素敵で良いような気がするところもあるんですよ。一時のDell の大成功なんかを見ているところもありますし。ただ、やっぱり魚屋さんとかってちょっと例外で、卸や仲卸が全体のパフォーマンスをあげるために必要なんじゃないかと思うんです。あるモデルケースでうまく行った事が、別にそのまま持って行ったら必ずしもうまく行かないなんてのは、世の中ざらにありますよね。歴史や伝統にこだわりすぎるのは良くない事ですが、軽く見すぎる事も良くない事ですよね。
3回くらい築地市場に行くとわかること
やっぱりあそこは料理のプロが買い出しに行くプロのための場所で、それこそかつては、本当に鉄火場みたいなところだったはずなんだけれど、最近はもう少し普通に入れてしまうし、お願いすると売ってもらえたりもします。景気悪いんだね。そこに輪をかけて外食や料理についてはね、素人がプロに近づいたのかプロが素人に近づいたのかはわかりませんが、そういうところはなんだかありそうな気がします。やっぱり、まあ出来るなら自分たちでとってきて、自分たちで料理作ってみんなで食べるとおいしいんだよね、単純だけど、我ながら単純だけど。すくなくとも、やっつけでつくったものよりは、きっと本能に近いところで美味しいんだと思う。で、料理の方はまあ、ともかく、市場で働く魚屋さんはやっぱりプロだなと思うんですよね...。
そんなプロの人達だとしても、やっぱり漁の結果までコントロールする事はできないんだよね。ときどき、買い出しに築地市場にお邪魔するんですけども、行くたびにやっぱり、出回ってるお魚さんの量もちがえば種類も違う。大漁のときもあれば不漁のときもあって、極端だけど、秋なのにあんまりさんまを見かけないようなときもあったりもします。
物事を計画をたてて筋道通りに動くことや動ける事は本当に素晴らしいことなのですが、やっぱりお魚事情みたいなところってそうは行かないところがあります。本当に臨機応変でなければいけません。そもそも狙いをつけて買いに行くよりも、現場見てよさそうなものを買う方が結果が素敵なことがおおいです。その出たとこ勝負のところにおいてバッファとかプロキシみたいな役割をこなすのに、魚河岸のシステムはかなりよく回ってるんだなと思ったりしました、今更ね。
今はなんでもかんでも産直とか直販とか言いがちなんですけど、それだけじゃなくて、システムのパフォーマンス向上としてバッファやプロキシや負荷分散、場合によってはディレイラだったりもするのかもしれないけど、そういうものがあった方がいいものだってあるんだよね。という話。ちょっと、新しく出た成功例が銀の弾丸のようにみえることはあるんだけど、いろんな作戦やいろんな方法をきちんと考えた方がいいよね。