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未来のミライ観てきました。

「未来のミライ」公式サイト
夏休みな感じだし、せっかくだからということで、家族でシネコンで観に行ってきました。あまり予備知識もなく...。宣伝も全く観てなかったのですが、大変なことにもなってるみたいですね。以下、全て個人の感想です。なんね、なんねって文章で、ナシよりのナシかと思われますが、イカ、よろしく〜〜〜。ネタバレそんなにしてないと思いますが、そういうの気にする人はネットで検索したり、twitter を観たりするのをやめろ。

以下、ぶらぶらと書きましたけど先にまとめを書いておくと

  • 良い映画かと聞かれたらそうだと思うけど、おすすめ?と言われたら時かけかサマウォと言います
  • その後の作品よりは私はこっちのほうが好き
  • 細田作品の脚本の質が気になる人は気になるかもしれないが私は普通に良かった
  • 細田の細部の質が気になる人は今作相当だめかもしれなくて私は普通にたくさん辛かった
  • 今作は賛否両論らしい。。くらいの予備知識はある方がよいかも
  • それはそれとして、あんまり予備知識が無いほうが映画自体は楽しめるかも
  • 期待しないで見に行くほうが結果オーライかも
  • 細田に期待した僕が馬鹿でした。みたいになる人までいる可能性はある

という印象です。

余談

プリキュアとかコナンとかではない映画を映画館で観たのは君の名は以来ですが、なんか結局アニメが多いですね。家族連れであればなおさら。
あと、私は性格というか根性に難ありで、連ドラを全部見る前に飽きてしまう、仮面ライダーも評判が良くても途中で飽きてしまう感じで映画くらいで2時間だけのバカンスくらいの間でお話がきれいに終わってくれるのがとてもありがたいです。一方で、お金があんまりなかったころに安いミニシアターとかでいろんな映画*1をみたりしていたので、大手映画館の予告予告アンド予告とか、それだけで結構疲れてしまったりとかもあります。根性が足りません。もっとも、エヴァー2020年の予告(2020年にやるとは言ってない)とか、スタジオポノックの短編集の中で真ん中の卵アレルギーの話だけ面白そうかもとかあったのですが、全部見せられて、せっかくこれからたぶん割とのんびりしているであろう未来のミライを見に来たのに、血みどろドクターヘリの映画の予告を見せられるとかはなかなかしんどいものがあります。幼児連れで映画館にアニメ見に行って、PG-12 じゃないのかとか、R-15 じゃないのかみたいな予告が混ざってくるのはしんどい。と、いきなり余談からスタート。先が思いやられます。

細田映画はかなり好きで、もろもろ

私は個人的に時かけがいちばん好きです。それから例のデジモンがやっぱり好きですね。ただデジモンの凄さって岩井俊二の打ち上げ花火みたいなところがあって、ふらっと近くの定食屋さんで雑にA定食頼んだら実家に帰ってきてた凄腕のシェフがじゃっとおいしいもの作ったのに出くわしたみたいな驚きでなおさら美味しいみたいなのはあると思います。でも面白いけどね。それから、家人はサマーウォーズが好きです。
それで、映画は結構好きだったと思っていたのですが、そうでもなくて、細田作品は時かけとサマウォは映画館で観たけど、それ以外はレンタルとかで観て、おおかみこども*2とか、バケモノの子とかはまあ観て、あ、はい、て感じでした。

時かけくらいの時はネクスジブリみたいに言われてましたけど、かつて気持ち悪いというと語弊があるのでバランスが悪い映画を撮っていた新海誠君の名は。*3で豪快にブレイクを果たし、庵野は相変わらずマイペースでむしろエヴァーよりもゴジラとかウルトラマンとかやったほうがいいんじゃみたいになって、細田守はむしろポストジブリよりも、今敏みたいな感じになってきたような気がしています*4。エンターテイメントみたいなものがこの際強くなくてもいいから、みんな結構好き勝手やって、世界の幅が広がるみたいにしてもらえる方を担っていただく方が良いのかなと思っています。オリコンでナンバーワンとかダウンロードランキング1位とかMステ登場!!! とかではなくて、フェスの夕方くらいに中位のステージで出てきて、みんな納得するみたいな仕事をして欲しいというのがあります。そもそもポジションが違うみたいな。

私は、出てくるに越したことないですが、細田作品にそんなにエンタメ楽しいこととか、サマウォのOZみたいなすごい世界感の描写をそんなには期待してなくて*5、むしろ適当にブラブラしてるシーンがあって*6、そこから脚本的には細い攻めがつながって最後に集大成みたいなのは地味でもいいから期待していて、そこは脚本微妙だとよく言われる細田作品ですが、その細い攻めをつなげるみたいなのは好きです。

一方で、細田作品で微妙に気になるのがディテールがすごく変というか、詰めが甘いというか、えええええええってなるところあって、サマウォの暗号解くところとかは桁数とか計算方法とかなんかえー...ってなるし、そういう良質が細部に圧倒的に宿ってないみたいなのを感じることがあって、そこで乗り切れないみたいなのを映画マニアが言うのもとってもわかります。今作は子育て経験の有無でいろいろ印象が異なるでしょうが、今作はいちばんなります。

あとは、キャストはまったく予備知識無しでスタッフロールで確認したレベルでしたが、プロの声優さんではなくてタレントさん起用していくのは、オトナの事情とかどれくらいあるのか知りませんが、細田作品では私はわりと良い印象で捉えています。そこまで演技派ばっきばきでもなく、かといってお前プロ声優使えよ...みたいな感じでもないあたりで雰囲気を出していくキャスティングとかはむしろ良い仕事していると思います。たぶん私の感想は異端だと思います。思いますが、時かけ原沙知絵さんとか良かったと思っています。

今作、お父さんが星野源で、お母さんが麻生久美子さんで、あと某シーンで福山雅治とかは完全に後から知りましたけど、トトロの1101よりは今作星野源の方が嫌ではなかったし、ときどき違和感ときどきサイコーみたいな麻生久美子さんは逆に子育ての不安定さみたいなものを一周回って表現してて、福山雅治福山雅治らしいかっこつけたかっこよさと気取らない感じが同居してて、まあ良かったと思います。クソガキんちょのくんちゃんは誰がやっても難しいし、適度にむかつくし、あの役をこなしている時点で噛み白石さんの妹さんは快挙かと思います。

未来のミライ

作品的には、あまり力入りすぎてなくて、そんなに集中して観なくても良くて、それでいて退屈ではないとあたりは、昔からブラブラしてるような映画観ている人であれば、そんなには気にならないでしょうし、いやいやいやいや、映画なんだしせめて最低限の構成やエンタメはあって然るべきだろうが...みたいな人が見ればそれは大変なことになると思います。そのあたりが映画評で意見が分かれるところだと思います。
さらに上述と関連しますが、細部の詰めがすごいんだか甘いんだかみたいなところで、これまた評価がわかれるわけで、今作については、どうあがいても賛否両論不可避みたいなところがあり、ネットで何か書くのが好きな人でも評価が別れて、それでも好意的みたいな人が気持ち悪いはてなダイアリー界隈とかではそれなりにいて、アメブロとかいくと何あれみたいになりそうに勝手に思っています。そしたら、やっぱり評価は割れているみたいですね。
この辺は、鑑賞後に私の気持ち悪い感想の最初の餌食になった家人がうんざりしながら聞いていましたが、細田作品については期待されているところとかの掴みどころがぐしゃぐしゃになっていて、時かけサマウォときてその後の流れを経ているせいでますますややこしくなっていて、むしろ新海作品みたいに始めバランスが悪い映画を撮っていたけど、いろいろあって整ったみたいなのと逆の難しさがあって、そこはちょっと不幸があると思います。いちばん売れたから宇多田ヒカルの最高のアルバムは First Love だ!! っていうのが納得の人とズコーってなる人といるみたいな不幸です。

私はというとお話がブラブラしているのは別によくて、それなりに最後にまとまっているのも良くて、そのあたりは高感度だったのですが、そこそこ育児難度が高い男児のガキンチョが結構辛くないかこれみたいなのが、あって、さらに、お父さんが控えめに言って段取りが悪いポンコツだったのが結構イライラして、ホントイライラしました。テンプレ家事育児ダメ父、みたいな感じで、でも外面というか外での印象は良くて、それの印象を奥さんが悪印象なのも含めて、もうホントイライラして、そこが何よりダメで...。微妙なリアルがかえってめんどくさい事例というか...。
それで、料理の段取り悪いシーンとかあれとかこれとかがもうホント観てて辛くて、そこほんといやいやいやいやいやいやってなってでも、世間のクッキングパパのリアルはあれなのかとか思ったらなんか二重三重に絶望するし、よく機関車トーマスとかで失敗するシーンを見るのが辛いも自分のいたたまれなさとこのポンコツ何してくれんのとかの両方のいたたまれなさあるし、休むのか仕事すんのかはっきりしろみたいなのとかもあるし、それでいて、容易に子どもから目を離すとかもあって、もうそのあたりがすごいしんどかったし、建築家が作った普通の家ではない家に住んでるのですが、いやそこそれ、子ども落ちるだろうが!! 柵をつけろ!!!!! みたいなのがあって、なんかもう従来に輪をかけて雑みたいなところはありました。ガキンチョがブチ切れて落書きするシーンでスケッチブックにだけクレヨンで落書きするシーンも気に入らないのですが、それはうちが賃貸なのに子どもが以前に本気でふすまと壁と布団に油性ペンで落書きしたことがあるからというのは内緒である。
あと、うちには育児そこそこ高難度男児がいるわけではなかったので、そこのリアリティには少しかけますが育児いらいらエピソードのリアルみたいなは結構あります。赤子のときに赤子が泣き叫ぶ東京ゴッドファーザーズ見るのがしんどい案件と同じくらい、手間かかる男児の育児体験や、ママがいい...砲撃を直撃した人や、ワンオペ複数アウトナンバー育児体験があると、結構うっ...てなる程度のクオリティがよくも悪くもあります。しんどい。

一方で、脚本の方でちょっと出てたとか、脇のエピソードがくるっと帰ってきて、細い攻めをつなぐみたいなところはそれなりに回っていてそのあたりはまあまあ良かったと思いますけど、カタルシスみたいなところの引き受けみたいなのは地味ですね。でも嫌いではないですが。

映像関連では、世界観とかでぶわーっていうのがあるかと思っているとそこは思ってたより地味ですが、それなりのマッドハウス風味というか、映像的にはかなり見応えはあると思います。で
すが、サマウォみたいなのを期待してた家人はちょっと物足りないと言っていたので、その辺も何に期待するかで評価が分かれそうです。

そういうわけで

夏の話題作ならびに話題がひとつ増えてよかったのではないでしょうか? と思っています。
なんかぶらぶらしてる映画がどれくらい大丈夫かどうかは、今作を観るにあたって大事なことです。

まあ、このようなエントリを読んだりするよりは、映画見たほうが2時間程度で決着ついて良いと思います。
未来のミライが映画館の未来で待ってる。

では、良い映画で良い人生を。

*1:シアターキノには大変お世話になりました

*2:当時、検索候補のキーワード組み合わせ候補で避妊がついてきてたのうけた

*3:難しい映画ファンの評判はそこそこですが、私は他の新海作品よりこれが好きです。あと、RADの夢灯籠が好き

*4:パーフェクトブルーが好評ですが、私は千年女優東京ゴッドファーザーズが好きです。そういえば、未来のミライも子どもが泣き叫びまくっていて、育児ストレス直撃作ではある...

*5:家人はサマウォが好きなので未来のミライちゃんと未来でどひゅーんずぎゅーんみたいなんを想像してたらしい。それでも後半では少しそういうのありますが

*6:これは個人の感想ですが、テレビ編集版のサマウォかなり残念で、そういうブラブラしてるシーン落ちてて楽しくない