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警視庁 生きものがかり / 警視庁 生きものがかり 福原 秀一郎 (著)


もともと私が知ったきっかけは飛行機の機内誌か、クレジットカードのおまけでついてくる情報冊子の記事だったと思ったのですが...警視庁 生きものがかりという、ノンフィクションの本があります。
こちらが面白かったので、久しぶりに何か書こうと思います。私も生きています。生きててすみません。

こちら、だれもなにも悪くないですけど、実際とっても、紛らわしいのですが、割と人気あったらしい最近人気ないテレビ局のフジテレビのドラマ、警視庁いきもの係とか、大倉 崇裕氏による、同ドラマ原作の警視庁いきもの係シリーズはまた別のお話になるそうです。

本エントリにおいては、警視庁 生きものがかりという、ノンフィクションの方についてのお話です。事実は小説より奇なり...みたいなところも、あったりします。

ちなみに、関連で、読もうかなという人、

このあたり調べておくとあとあと面白いと思います。

警察の人が書いた文章感がありますが、事例はやたらめったら面白いです。

なんというか、文章は上手か下手かでいったら上手なんですけど、警察の文章(意味深)という感じがとてもあります、調書とら(自主規制)とかある人ならわかると思いますが、警察の文書の文章と、論文の日本語、あと判例とか、特許とか、とにかくそういう独特な文章というのがあって、その中でも警察の文書の文章感とか、警察のあの感じというのが、気にしなければ気にならない程度ですが、ないとは言えない程度にはそんな警察感みたいなのがあるにはあって、それが苦手な人はちょっと読むのが辛いと思います。このはてなダイアリーの文書の真逆のような文章です。この文章の方が気持ち悪いから普通の人はきっと大丈夫です。

さて、人間の業とか強欲とかはなかなか奥深いものがあって、収集癖とかレアモノコレクターとかそういうのがある人もいて、デジタル界隈ではスマホゲーに何十万ぶちこんだとかが最近は話題ですが、珍しい動物や植物を手元に置いておきたいみたいな人もいらっしゃって、それで本当は生態系への悪影響の問題とか、絶滅危惧などの問題とかがあって、売買したり輸入したりしてはいけない動植物がいるわけですが、だめだと言われるとなおさらやりたくなるとか、所有欲とかそういうのもあって、昔からやる人がいるらしいです。そこまで動植物とかを手元に置いておきたいとかはわかりませんが、NAS いっぱいの音楽データとか、やたらヘッドホンとかイヤホンとかがあるとか、ポケモンGOでうっかりミュウツーもってる私とかもなんだかんだ似たようなものだとも思っています。

それで、悪い事はいけない事なので、警察とかがいるわけですが、そんな密輸とか密売、それらにかかわるエトセトラのお話と、この問題が抱えていた実情と、当時に比べるといろいろ改善もされたよ!! というお話もあるので、結構ためになります。
今は法改正もされて、そんなこともなくなったのですが、当時というか昔は、この動植物の密売があまりにもボロかったというか、ローリスクハイリターンというか、得点防げるならイエローカードもらいにいくファウルしてでも止めた方が得みたいな、もし捕まって罰金はらったとしても密売でモトがとれる...みたいな、どうしようもない構造悪を抱えていたところがあって、ついでに生態系の悪影響とか、絶滅危惧種問題とかも並列してあった問題だったわけですが、最終的にこちらの警視庁生活安全部生活環境課と動植物の権威や有識者や本当の愛好家によって、法改正もなされ、ずっと抱えていた構造悪を、仕組みや枠組みできちんと改善したというのは良いお話だと思います。各エピソードもそれぞれ面白いですが、この本で一番大事なことはその事だと思います。
逆に、あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのかであるとか漁業という日本の問題にあるように水産資源管理や漁業や経済の問題、労働と、子育てとか、年金とか、いくつかの行政とか国家運営の問題については、同じようにどうにか良くなれば良いなとか思いますけどね...難しいでしょうね。余談ですが。

さて、こちら、全部で3章からなる構成ですが、ちょっと肩の力も抜けたような雰囲気でかつびっくりエピソードも入り混じってる第3章が私には一番面白かったです。ミヤコタナゴとミスジヤマガメのお話とか、奥が深いです。それ以外でも、第1章は密売ルートを追う話とか疾走感があるので刑事物とかが好きな人におすすめ、第2章はバックグラウンドよりのお話で、深堀とか背景を探るとかでスッキリしたい、そういうのが好きな人におすすめです。読むボリューム感とかは、新書が近いので、読むのが早いひとならサクサクだと思います。

警視庁関連の本とかだったら、令状とか捜査協力とかガサ入れとか取り調べとか、はたまたかつての敵が味方に...とか、同業者やかつての客にも刺される業者エピソードとか、そういうのへの期待もあったりするかと思われますが...、そのあたりもばっちりおさえられれて、そのあたりも満足感高いです。

では、良い人生を。