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服部正也 (著) 「ルワンダ中央銀行総裁日記 増補版」が素晴らしかったです

こちら、シルバーウィーク中に、twitter で話題になっていたので、読んでみたのですが、これは大変な名著だと思います。ルワンダがどこかとか、Google Maps ですぐ調べられるのとかありがたいですね。アフリカの真ん中の小国とはどれくらいかと思ったら、本当にアフリカの真ん中の小国だったとわかるとか。そういう実体や実感は大事です。本著中でも本当の実体を確認することの大事さについて語られていて、服部氏の書かれていることは普遍的で、普通に考えて普通に良いことです。
だけれどその普通になかなか出来ないことを、でも普通にちゃんとやったら、普通にうまくいったという、普通のことが書かれていますが、だがそれがいいですし、もっと普通にちゃんとやることの大事さ等については昔からずっとそうだったという、そういう本です。あとは、うまく回すための仕組みや組織作り、真っ当なことを真っ当にやるということについてはいろいろ勉強にもなります。働いたら負けかなと思っているとかが、そうだってなるのは、きっとなにか間違っているわけですね。ルワンダの人は決して怠け者でもなんでもないけど、そう見えた理由をちゃんとたぐっていくところとかもとても面白いです。

このお話が1960年半ばのお話なのですね。台湾で有名な八田與一氏などの功績ともつうじるお話で、中央銀行総裁だけどそういうこともやるみたいなロマンもあり、良い方の日本の偉人すげーのお話ではあるし、ある意味、伝記レベルのお仕事について、本人がどう考えて行ったかを書いたという意味でも価値がある本です。あと、油断してるとちょっと面白いアフリカエピソード出てきますね。

きゃっきゃうふふハーレム的なラノベではなくて、異世界に文明を持ち込んだ設定みたいなラノベのリアル版みたいな評がありますが、これはある意味本当にそうだと思います。文体はかちっとしているのでそういう意味では違いますけれど、ただ服部がロックで大迷惑を... というのはこちらもある意味そうかもしれません。途上国でのお仕事についてはこれはもうどこから手を付けても悪くなることはないんだから思い切って色々どんどんやってみようといって本当にいろいろどんどん良くしたという、良いお話です。シミュレーションゲームRPGのはじめの方の面白さ的なところもあります。本当のPDCAがここに... みたいなのも面白いですね。

それから、増補1,2 がこちらも内容としては重いお話ですが、ルワンダの哀しいその後について、当時メディアでは語られなかった実際への指摘、それから、良い発展をしていたルワンダがどうしてこうなったみたいなところのフォローがあって、そこも奥行きが広がる形で良かったです。

読書の秋にいろいろ良いと思います。

では、よく働いて、良い人生を。

服部

服部