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名曲は今も流れてるよ、という、WONDER WORD 使いの単行本 - うれしい悲鳴をあげてくれ / いしわたり淳治

文庫化されてたのですね。

こちらを本屋さんで見かけて、2007年刊行の単行本の方が近所の図書館にあったので、借りてきて読みました。

いしわたり淳治氏については、いまここで書く必要があることはないのですが、べらぼうな天才が数名居た、とある伝説的な普通ではないバンドがありまして、そちらでギター担当だったのに作曲ではなくて作詞されてたのですが、解散後にロキノンで連載してて、それに書き下ろしなどを加えて本になったもので、先日、文庫化されたものですね。文庫のカバーが結構好きです。単行本と全然ちがうんですね。

そして、こちらなのですが、そのバンドに負けず劣らず不思議な存在感で、不思議なコラムとエッセイとショートショートな小説が入り乱れた、不思議な本になっています。エッセイかとおもったら小説だったり、その逆だったり普通にぐちゃぐちゃです。あのバンドの末期のようにぐちゃぐちゃです。

だが、それがいいだが、それがいい

あと、関係ないけどあるけど、プレイリストから新たな音楽を発見する[MUSICSHELF] こんなの見つけた。いいですね、これ。ホフディランとかさすがにプロで、おかあさんといっしょホフディランえがおでいこうとか名曲で名PVなんですけどねって、どうでもいいですね。

いかんともしがたい才能の差のようなものはある

というか、そのとあるバンドは、日本有数のめちゃくちゃな才能に恵まれてたバンドで、謎の作曲センスに恵まれたフロントマンと、歌がとても上手というわけではないのにあまりにも天才声すぎるしばらの花のようなコーラスもする謎ボーカリストな謎ベーシストと、ギタリストなのにむしろ不思議な言語センスと構成力にたけたギタリストと、実はタヌキかもしれない気のいい兄ちゃんが、青い森でバンド組んでたとか正直、合体事故なんですけど、いい時代でした(遠い目。

為末大先生がオリンピックに出られるような人は完全に狙いすまして出たか、天才過ぎてうっかりぽろっと出られたかそのどちらかしかないみたいな感想をかつて述べてましたが、超天才過ぎたバンドが狙って仕事出来るようになった奇跡が同居してた希有なバンドでした。解散しない訳がないみたいなところはあります。しょうがないです。あと、LAMA とか iLL とかちらっと試したらなんかちがうとなって、HIGHVISION とか Futurama みたいなのに手を出してもしかたないと思います。そして、スリーアウトチェンジ。


それで、本の内容も、だいたい才能でビャーッと走ってるところもあるんですけど、その一方で憎いくらいの構成力を発揮してるところがあって、ポケットの名刺の話と、タクシードライバーの話は、とあるバンドよろしく反則に近いクオリティでした。面白いことをさーっとしておいて、ガツンと良い構成の中で一撃で決めるみたいな展開が巧みすぎましてね。ずるいよねw


では、良い人生を。

Futurama

Futurama