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南博さんご本人に tweet されたので、南さんのご紹介エントリを。

ちょっと恐縮しています。以前、書いた内容とも重複しますが、改めて。

知る人ぞ知るジャズピアニストの南博さんですね。南さんには大きくわけて3つの顔があって、

  • 愉快痛快ではっとしてすっとしてぐっとくる文章を書く、物書きの南さん
  • 洗練されたピアノ演奏を録音として残すジャズピアニストの南さん
  • 録音から受ける印象とは一転、激しい演奏をする、ライブピアニストの南さん

もちろん同一人物なのですが、天は3物を与えたもうたというか、いずれの側面でも、とても素晴らしい創作を残されています。

ネットの方々は、書籍、CD、ライブの順番でそれぞれ好きそうなので、好きそうな順でご紹介。

菊地成孔さんも脱帽という、書籍は面白くてためになって感動する

白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編- (小学館文庫)

白鍵と黒鍵の間に -ジャズピアニスト・エレジー銀座編- (小学館文庫)

あるきっかけでうっかりジャズピアニストを目指してしまった南さんが銀座でジャズピアニストをすることになった頃とその前後のいろいろなエピソードが満載の本です。
あの景気が良かった頃の時代の銀座や繁華街がイメージ出来る人、銀座が好きな人はとても楽しく読める一冊かと思います。
銀座編はどちらかというと、書かれている時代や内容から、おじさま向けの一冊みたいなところがありますね。
読み物として、とても面白いですがこの1冊を読んでいると、後の2冊の味わいがもっと増すのです。

鍵盤上のU.S.A.

鍵盤上のU.S.A.

こちらは、銀座での演奏していた日々を経て、海外留学していた頃のお話しになります。普通の読み物としては銀座編の方がおもしろおかしいところがあるので、良いかもしれませんが、楽器や演奏について興味があったり、音楽家が普段どんなことをしているか、していたかとかっていうあたりに興味があるとこちらの方が面白い一冊になると思います。おじさま向けから一転、海外が好きな方とか、音楽が好きな方向けの書籍の印象が強まります。おねーさんとかはこちらを読んだ方が楽しいかなと思います。

マイ・フーリッシュ・ハート

マイ・フーリッシュ・ハート

3冊目は少し内容が一転します。Amazon の紹介ページからの引用ですが...

日本の変貌に惑い、ライブツアーの狂騒に酔い、うつ病に苦しみ、友情に救われながら、今日もひたすらピアノを弾く。当代随一のジャズピアニストによる真摯で痛切なメモワール。精神科医春日武彦との特別対談「ジャズとうつ」収録。

という、はじめ2冊と少し風合いが違い、うつの話題などもあります。3冊とも読むと、考えさせられるというか、いろいろ感じるところが多い本ですね。菊地成孔さんの南博さんのピアノ評とも関わりがあったりしますね。

とにかく、あんまり知られてないかもですが、音楽のスゴ本とかある人生のスゴ本みたいなのがあるとするなら、私はとてもこれを推したいです。おじさんが多めの会合だと銀座、おねーさんが多いとUSAとかになります。はい。

もちろん演奏の方も聴くべきです。

本を読むにあたって、やはり演奏を聴いておくと良いと思います。
南博さんは、ソロ、菊地さんとの共演、トリオ、カルテット(Go There名義)など、いくつかの録音があり、ソロとか菊地さん共演作品だと洗練された都会のたたずまいみたいな演奏になり、トリオだと、私はトリオがおすすめですが、集中してるけどリラックスしてるみたいな演奏になり、カルテットになるとまたちがった楽しさやおしゃれ感あと勢いみたいなのが入ってくる感じですね。

おすすめは...

菊地さんとの共演

花と水

花と水

菊地さんの共演作品で、シンプルな構成なだけにすぅっと入ってくる演奏で、かつ、逆にこっちも集中して聴きたくなる演奏です。かっこ良くて美しい録音だと思います。

素敵なトリオ

Like Someone In Love(廉価盤)

Like Someone In Love(廉価盤)

Body & Soul

Body & Soul

トリオ作品はもう少しリラックスしてる雰囲気を感じます。同時に演奏内容がスタンダードなので、一報で演奏に対しての集中も感じるのですが。トリオ作品は普通に聴きやすいので、トリオ作品がおすすめです。先のエントリでもそんな感じの事書いてますが

たのしいカルテット

GO THERE!

GO THERE!

From me to me

From me to me

そして、カルテットですが、こちらはもう少し、勢いや楽しさを感じます。Go There 名義でいくつかリリースがありますが、上記2作品が私は好きです。

それぞれ少しずつスタイルは違うのですが、南博さんの演奏には一貫したスタイルがあるので、それがいいなーと思ったら、いろんな構成の演奏を見てみると発見があって楽しいです。私はやっぱりトリオが好きかな...。

あと、本からの印象と、録音の印象が結構違うのでそれも面白いですね。

ライヴ

私は一度、震災があってちょっとたったころに、野毛のジャズスポット Dolphy でトリオを拝見したのですが、ライヴのときはまた別の顔というか、録音よりも、本から受ける印象が近い演奏で、激しさを感じる演奏でした。演奏としての力強さとか、そういうかっこよさを見られるのはライブがいちばんでした。
http://www.graphic-art.com/minami/index.php?option=com_content&view=article&id=15&Itemid=4が見ることが出来て、いろいろな方といろいろな場所で演奏されているので、一度観に行くと、楽しい体験が出来ること請け合いです。

私も一度、新宿PIT INNでやってるときとかに観に行きたいなーと思います。

まとめ

というわけで、南博さんの紹介でした。

こんなエントリ読んでないで、本を読むか、CDを買うか、ライブに行くと良いと思います。

人生は短いです。

関連

Waltz for Debby

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フェイシング・ユー

フェイシング・ユー

上記、2作品だけを聴いておくと、本がまた楽しく読めます。キースさんはソロ作品が壮絶ですよね。Bill さんについては、もう何も言うことは無いと思います。

では、良い人生を。