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村上春樹 - レキシントンの幽霊を読んだ

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

レキシントンの幽霊 (文春文庫)

私は「象の消滅」 短篇選集 1980-1991とか、村上春樹の作品はどちらかというと、短編集が好きです。めくらやなぎと眠る女とかも、割と最近発刊されたそうで、良い事だと思います。別に手に取るなら、これら2作品でよいかもと思います。

レキシントンの幽霊は、以前、お誘いをいただいて、うっかりのこのこ参加したスゴ本オフで、居合わせたおねいさんが、ちょっと特別な装丁のこの本を持っていて、何となく思い出して手に取って読んだものです。

レキシントンの幽霊に収録のうち、何編かは象の消滅にも含まれているし、「めくらやなぎと眠る女」の短いバージョンの、便宜上「、」いりの「めくらやなぎと、眠る女」も入っていたりで、冒頭であげた黄色とピンクの短編集収録のものと、ちらほらかぶるわけですが、まあ細かいことは気にしなくても良いと思います。

神の子どもたちはみな踊る」はいろんな事件の影響下にある村上春樹後期型というか、殺伐というか、殺風景というか、あわせて静謐というか、ちょっと私の能力では伝えるのが難しいですが、そういう雰囲気があるのです。
けれども、この頃の短編群はもう少し、なんというか、軽さというか軽妙さというかな、別にお洒落なことをしようとしてはいないのだけど、不思議とポップな感じがあります。それで、長編や話題作よりも、読みやすいし、私の好み丸出しなのですが、これらの方が好きです。

短編集が好き

もちろん、3巻とか上下にわかれるような大作を書けるとかそれは素晴らしいことですし、それなりのスケールが必要なテーマもあると思います。
ですが、こう、凝縮された個性というか、そのときどきの作者の特長が抽出された感じの短編集はとても好きです。

鉄道員

鉄道員

とか、村上春樹もある意味ではベッタベタなんですけど、こうそれと逆向きにある意味ではベッタベタな上記ですけど(笑)*1高倉健さんで映画化された表題作よりも「ラブ・レター」っていう作品がなんかやけに好きです。この作品とかもなんだか、作者の作者らしさが良く出てて、好きだったり。

電車のおともに短編集!!

というわけで、良い短編で、良い人生を

*1:割といい意味で