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銃、病原菌、鉄、地球、Civ4、そしてがんばれ俺たち

Google Earth のような人類史「銃・病原菌・鉄」: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
またまた、id:Dainさんのまとめが乙で今更書くこともあまり無いのですが... 凡人を代表して書いてみるテスト。

Dainさんの新入生に読ませたい本ランキングを見て、少しでもフレッシュな気分になれればと思い、新入生に読ませたい本1位を手に取ったら、いちばん廃人養成装置なゲーム => Civ4 をやってみたくなったって話でも少しあるんです...。今の地球と同じことが起こるマップで、部族の配置を変更したらさてどうなるかって実はこの本に近いですね。
地形的そして、自然の初期設定が民族の生活様式や技術の伝播にたいしてどのような影響を与えたのかが包括的な手法で分析されています。DainさんのところにあるようにまさしくGoogle Earth 的な視線で、地球を飛び回っては民族の発展の差異を、気候/穀物/動物/植物、その他諸々から考えて行きます。地理と歴史はじつは多いに関係があることと、大学で体感する人もいると思うのですが、まさしくそういう感じ。
ジャレド博士のことを考えても理系と文系を区別すること自体もうナンセンスなのよということを教えてくれていますね。。。

結構長い本で、同じことが割としつこく繰り返される話なので、急ぎの人は前書きとエピローグみて、それで、他にも興味がありそうなところを目次でみたら、それでいいかもしれません。*1

ニューギニアの知性派ヤリさんにといかけられたことを、ジャレド博士は考えてみたけど、わからなかった。そこで一生懸命考えてみたわけですね。
そして、文明の発展において、征服した側とされた側はしたほうの人種が優秀だったからって考えは違うんじゃないかと考えて、"銃、病原菌、鉄"の原因が、"植物、動物、地形"にいたるんですよ。そして、要素還元的にではなくて統合的にとっかえひっかえ地球のことを考えながら歴史を分析した感じ。おおざっぱだけど。養う余裕があれば技術は発展する。食ってくために必死だとつらいわよと。んで、いい穀物や動物がいたラッキーが1万3千年の影響になっているとね。家畜にできたり、栽培可能な植物っていうのは実は相当少ないことに気がつけるとかはやっぱり偉大ですわ。

この包括的アプローチはなんというかすごかった。ダンコーガイじゃないけれど、"専門化は、昆虫にまかせておけばいい。" わけで。

あとエピローグにあった、統一された中国と統合されてるようなされてないようなヨーロッパの違いとかって突き詰めたら面白そうだなとは思いました。統一されているとことが発展の障害になることがあって、ある程度逆だったからコロンブスアメリカにいって、競争があったからヨーロッパ諸国が伸びたくだりはちょっと奥が深いかも。遠すぎず、近すぎずが技術向上速度最速みたいなところ。

ただ、Dainさんとこにもあるように、この本の日本語のところの考察の下りはちょっとへんですね、日本人として。漢字検定とかもあってステータスではあるのだけれど、"たとえばかんじがなかったらぶんしょうはとってもよみにくいわけでして"、日本語においては、音の種類がすくないとか、表意文字の理解の速さとか、さっきと逆に孤立した単一集団のルール決めの強さとかも要因とかおもうのですよ。
たとえば "こうしょう" といったときに、話していればコンテクストでわかるのでしょうけど文章で書くときは、こうしょうなこうしょうより、高尚な校章とかのほうが便利なのですよね。*2

まあしょっぱいつっこみはさておいて、この本を新入生に読ませたいという気持ちはすごくよくわかりました。これからの研究は深くつきつめるだけではなくて、木を見て森を見るようなスタンスが必要だし、ポジションをまたぐような視点の研究がますます必要なことを覚悟しておいてね、というのはね、かなり素敵なメッセージだと思います。

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

穀物とか植物の話で
これを思い出したおれはあるていど、ガンバレ俺たち..

以上、雑駁ですが、そんな感じ。

*1:南北線より東西線みたいなのがもう何度も何度もww

*2:でも、もっとも私もこの分野不勉強なのでございます。。それどころか日本語不自由ですしね..